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合成繊維ロープ JIS規格

4、 初荷重

  初荷重とは、ロープが伸張せずにまっすぐに張れる程度の荷重をいう。荷重が影響する場合の試験(長さ、リード、伸び率)には、初荷重として付表に示す荷重を用いる。初荷重の許容差は、±5%とする。


5、 試験方法

5-1 試験室の状態 試験室の状態は、温度・湿度及び許容差が20±2℃・65±2%とする。ただし、試験室が上記の状態に保たれない場合は、試験室の温湿度を試験成績表などに付記する。
5-2 試料の準備 各条の一端から5-7の引張強さ試験に必要な長さの試料片を切り取り、これを5-1の試験室に放置し、1時間以上の間隔で質量を計り、その前後の質量差が質量の0.3%以内になったとき、これを試料の質量(m)とし、この試料を試験に提供する。
5-3 質  量 5-1の試験室において、1条ごとに質量を量る。
5-4 長  さ 5-3の方法によって質量を量った後、試料の両端を手で引っ張り、これを平面に置き、その長さ(l1)を測った後、その中央部分に30cm又は50cmの間隔で二つのマークを付け、その間の長さ(d1)を測る。
次に、この試料を定速緊張形引張試験機にかけ、(ただし、ポリエチレンロープ、ポリプロピレンロープでは、この試料を温度35±2℃の温水中に30.分以上浸せきした後)荷重を徐々に増加し、荷重が付表に定める初荷重に達したときに荷重の増加を中断し、先に試料の中央部分についた二つのマーク間の長さ(d2)を測る。
    試料の長さ( l )は、次の式によって算出する。
             l = l1 × d2 / d1
            ここに、( l ) : 試料の長さ( m )
                ( l 1 ): 初荷重をかける前の試料の長さ( m )
                ( d 1 ): 試料の中央部分に付けた二つのマーク間の、初荷重をかける前の長さ( cm )
                ( d 2 ): 試料の中央部分に付けた二つのマーク間の、初荷重をかけた後の長さ( cm )
    また、ロープ1条の長さ( L )は、次の式によって算出する。
             L = l × M / m
            ここに、L : 1条の長さ( m )
                 M : 1条の質量( kg )
                 m : 試料の質量( kg )
5-5 線密度 f線密度( d )は、5-2で得た試料の質量( m )と試料の長さ( l )によって次の式から算出する。
        d = m / l × 10の3条
            ここに、d : 線密度( g / m )
5-6 リード 5-4の方法によって長さ( d2 )を測ると同時に、ストランドの1回のよりていを3カ所においてミリメートル単位で測り、その平均値とする。
5-7 引張強さ 5-6の方法によってリードを測った後、再び荷重を徐々に、かつ連続的に増加してロープを切断する。この際、ロープの切断が付表に規定する引張強さ(以下、規定引張強さという。)に達しないうちに試験機のつかみの箇所で起きた場合は、この試料による試験は無効とし、他の試料によって再試験を行うことができる。
  なお、試験機のつかみの速度は、そのロープの規定引張強さの50%までは300mm/minとし、それ以上は150mm/min以内とする。
  また、試料の有効長(※3)は、ロープの呼称太さの30倍以上とする。ただし、その長さが0.5mを超えるものについては、0.5mにとどめることができる。
5-8 伸び率 5-7の方法によって引張強さの試験を行う際、荷重がそのロープの規定引張強さの75%に達したときに、先に試料の中央部分につけた2つのマーク間の長さを測り、次の式によって伸び率を算出する。
                  伸び率( % ) =(d3-d2)/d2×100
             ここに、d3 : 荷重が規定引張強さの75%に達したときに測ったマーク間の長さ(cm)
※3)ここにいう有効長とは、試験機の両つかみ間の内側で測った長さをいう。ただし、試料の両端にアイ加工(耳状の環を作る
    こと)を行って引っ張る場合における有効長は、アイとアイとの間の加工していない部分の長さをいう。

6、 検  査

検査は、合理的な抜取方法によって試料を採取し、5-1から5-8によって試験を行い、(2、 品質)の規定に適合した場合は、そのロットを合格とする。

7、 表  示

新品又は包装には、適当な不法で次の事項を表示しなければならない。なお、呼称太さが20mm以上のロープには、ストランドの1本に製造業者名入りのテープを挿入するものとする。
  (1)  品名(※4
  (2)  呼称太さ
  (3)  長さ
  (4)  質量(※5
  (5)  製造番号
  (6)  製造業者名
   (※4 ・ポリエステル混紡ビニロンロープは、V/Eロープと略してもよい。
・ポリプロピレンマルチフィラメントロープは、PPマルチロープ、ポリプロピレンモノフィラメントロープは、PPモノロープ、ポリプロピレン混紡糸ロープは、PPスパンロープと略してもよい。
・ポリエステルマルチフィラメントロープは、ポリエステルマルチロープ、ポリエステルスパローンと略してもよい。
・樹脂加工したものは。その旨表示する。(例 : ナイロンロープ(樹脂加工)
 (※5 ・樹脂加工したものの質量は、樹脂加工前の質量を表示する。
     

ロープ直径の測り方

JISで定める初荷重をかけてロープを緊張した状態とし、参考図のとおりノギスをできるだけ多くのストランドに当てて測る。
リードを測ると同時に、直径を測るとよい。
  なお、八つ打ちロープにあっては、スチールテープでロープの周を測った後、次の式によって直径を算出する。  
直径(mm)=周(mm)/3.14
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